生産資源の配分と監視

MESの「生産資源の配分と監視」機能とは

アメリカのMES推進団体MESAインターナショナルが定義するMESの機能において、1番目に紹介されているのが「生産資源の配分と監視」機能です。

製造の現場を動かすためには、まず生産資源の情報を把握し、その配分や監視といった管理が必要です。

ちなみに、MESにおける「生産資源」とは生産物の原材料のことではありません。設備や装置、工具、金型、そして人材などを指し、生産活動の実行に必要かつ生産後も残留するものを「生産資源」と位置づけています。

MESシステムにおける「生産資源の配分と監視」機能の例

上記に挙げた設備や人材といった生産資源をシステムによって配分、予約、監視、管理する機能です。以下で実際にリリースされているMESシステムの例を見てみましょう。

IB-MESの「生産資源の配分と監視」機能の例

生産ラインの状態をリアルタイムに見える化するのが「IB-MES」の大きな強みであり、機械の稼働状況も容易に把握できます。出来高信号や停止信号のデータを自動的に収集することで作業者の入力工数を削減するほか、生産スタート時の条件や製造プロセスもデータとして蓄積されるので不良発生の防止にも応用できます。

もし設備がストップしても「いつ、どんな理由でストップしたのか」をすぐに確認、その原因を分析することで稼働率を向上させ、製造コストの削減にもつなげていきます。

設備保全の面では温度や電圧、回転数などがモニタリングされ、異常時にはアラートが作動。取得したデータは瞬時に一覧化・グラフ化され確認できます。さらに時系列でサマライズされたデータをグラフで表示することも可能です。

参照元：IB-MES公式サイト（https://uni-face.co.jp/factoryib/ibmes/）

IB-MESとは

株式会社ユニフェイスが開発した「IB-MES」は、導入スピード・汎用性・コストパフォーマンスに優れたパッケージ型のMESシステム。製造の現場で必要とされる基本的な機能を幅広くカバーし、操作性にも優れているのが特長です。

Mini-MESの「生産資源の配分と監視」の例

設備や工具、治具、作業者といった生産資源をシステムで管理できるのが「Mini-MES」の生産資源マスタ機能。それぞれの情報検索やファイルのインポート・エクスポートも容易です。

参照元：Mini-MES公式サイト（https://www.techspire.co.jp/eedx/mini-mes.html）

Mini-MESとは

株式会社テクスパイアが開発した「Mini-MES」は、主に機械加工を手がける中小製造業に向いているMESシステム。コンパクトな設計ながら、製造スケジュールと指示・実績の統合管理が可能です。

ProManageの「生産資源の配分と監視」機能の例

設備の稼働状況や稼働時間、生産量をオンラインで自動的に監視できるのが、ProManageのオンラインリアルタイム設備監視機能。設備のサイクルタイムをリアルタイムで監視することも可能です。

万が一設備が停止した場合に、その原因を分析する機能も標準搭載されています。

参照元：ProManage公式サイト（https://www.itnet.co.jp/lp/promanage/）

ProManageとは

株式会社伊東商会が開発した「ProManage」は、必要な機能を必要なタイミングで導入できる、スモールスタートが可能なMESシステム。2021年にはクラウド版がリリースされ、よりリーズナブルな導入を実現させています。

TONOPSの「生産資源の配分と監視」機能の例

設備から自動的にデータを取得するなど、生産ラインや装置を含めたシステム構築が可能なTONOPS。設備のエネルギー消費量も見える化し、ピーク電力のコントロールや設備の見直しや検証も容易にします。

このほか設備単位でも稼働状況を把握できるので、設備管理や工程管理にも応用できます。

参照元：TONOPS公式サイト（https://www.tonops.net/product/mes/）

TONOPSとは

東レエンジニアリングDソリューションズ株式会社が開発した「TONOPS」は、入荷から製造・出荷まで一連の工程をすべてカバーするMESシステム。製造現場全体のトレーサビリティやエネルギー監視も可能です。