データ収集
MESの「データ収集」機能とは
アメリカのMES推進団体MESAインターナショナルが定義するMESの機能において、8番目に紹介されているのが「データ収集」機能です。
現場からの日報でデータ収集を行なう企業もありますが、手書き運用の部分があると現場と管理部門で即時の情報共有ができず、さまざまな問題が残ります。
本機能は、各工程における「いつ」「誰が」「何をやったか」といった進捗情報をリアルタイムで収集・分析できます。具体的には、作業の着手・完了時に指示書のQRコードやバーコードをスキャンするといった運用がなされますが、スマートデバイスによる手動のデータ収集にも対応可能です。
MESシステムにおける「データ収集」機能の例
現場の製造プロセスごとの進捗状況をリアルタイムで収集・分析し、管理部門と共有できる機能です。以下で実際にリリースされているMESシステムの例を見てみましょう。
Factory Conductorの「データ収集」機能の例
製造プロセスの進捗状況や品質データ・履歴情報を、リアルタイムかつリモートで管理できるのがFactory Conductorの代表的な機能。製造の実態が明らかになることで、的確でタイムリーな業務改善を実現します。
データ収集に際しては製造ラインに負担をかけず、生産設備からの自動取り込み、WEBカメラによる読み込みのほか、スマートデバイスからの手動入力、バーコードやRFIDの自動読み取り、PLCデータ抽出にも対応できます。データは無線LANルータを介してデータベースに集積されますが、通信環境が整っていなければタブレット端末を利用したデータ収集も可能です。
参照元:Factory Conductor公式サイト(https://www.jnovel.co.jp/service/mes/)
Factory Conductorとは
日本ノーベル株式会社が開発した「Factory Conductor」は、データ収集とトレーサビリティを重視した組立ライン向けのMESシステム。セクションごとに必要な情報を見える化し、業務の効率化をサポートします。
IB-Mesの「データ収集」機能の例
IB-Mesの設備管理機能では出来高信号や停止信号のデータを自動的に収集するため、作業者の入力工数を大幅に削減できます。
データ収集に際しては、自動設備の場合は機種側のデータ通信機能もしくはPLC、OPC-UAからデータを取得し、設備に通信機能がなければ制御盤にクランプを設置するなどの対応を行ないます。検品など手作業の工程に関しては、さまざまな入力機器と連携してデータを取得します。
参照元:IB-Mes公式サイト(https://uni-face.co.jp/factoryib/ibmes/)
IB-Mesとは
株式会社ユニフェイスが開発した「IB-Mes」は、多機能ながらローコストでの導入が可能なパッケージ型のMESシステム。タッチパネル対応など直観的な操作が可能なため、ITに苦手意識を持っている方でも使いやすいシステムです。
MP-Connectの「データ収集」機能の例
「設備」「工程」「システム」「ノウハウ」「工場」におけるさまざまなデータがつながる生産現場を実現させるのがMP-Connect導入の目的です。「製品ごとに大量のデータを収集して解析したい」「作業内容や作業場所が異なる人の生産性をデータ化したい」といった現場の要望にも応えます。
参照元:MP-Connect公式サイト(https://www.panasonic.com/jp/company/ppe/it/mp-connect.html)
MP-Connectとは
パナソニックプロダクションエンジニアリング株式会社が開発した「MP-Connect」は、現場や経営スタイルに合わせて柔軟に導入できるMESシステム。現場の見える化からスタートし、データを収集しながらのステップアップ導入も可能です。
システムを紹介
ニーズ別 MESシステム 3選
製造現場を管理するうえでの課題、要望により合うMESシステムを紹介します。
本サイトで紹介しているMESシステム29製品(※)から、自社に合った導入ができるよう、既存システムとのデータ連携が可能な「柔軟性」、ERP~MES~制御までを統合した「総合力」、現地の税制・商習慣・多言語への対応可能な「グローバル仕様」の「3製品」を抽出。それぞれの課題や要望に合致する機能や支援内容を実現できるシステムを公式サイトやパンフレットの記載内容をもとに紹介しています。
既存の新旧・異なるメーカーの
生産設備のデータを可視化
一元管理したい。
拡張や変更もできて
誰でも簡単に使えるようにしたい。
混在する新旧多様な設備を連携し
既存システムともスムーズに統合
柔軟カスタマイズ&直感的操作
で現場への導入ストレスを軽減
- 小規模
- 中規模
- 大規模
- 多数拠点
- グローバル
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- 既存システムとのデータ連携が可能で、シームレスな運用を実現。IT導入補助金対象。
- 低コストでスピーディな導入。誰もが使える直感的な操作性。
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- 手作業・自働・加工工程などの多様な生産ライン、幅広いメーカー・古い機械のデータ収集が可能。
- 柔軟なカスタマイズが可能。製造業界・ハードウェアにも精通。
MESだけでなく、基幹システムや
制御システムも含め、工場全体を
DX化・管理したい。
大規模な予算をかけるので
知名度の高い会社に頼みたい。
製造の制御システムに長けた
100年超の老舗
国内外に知られる横河電機が
工場DXの幅広いソリューションを提供
ソリューション(横河ソリューションサービス)
- 小規模
- 中規模
- 大規模
- 多数拠点
- グローバル
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- 原料の入庫、製造、梱包、出荷まで工場全体の最適化をサポートする設計思想。
- ERP~MES~制御までを統合した企業システムとして構築。
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- Operation Technology(OT)デバイスとその制御システムを長く展開、モノづくりを知る大手企業。
- ハードからソフト、AIソリューションを一体で提供。
複数の海外拠点の状況を
リアルタイムに把握したい。
グローバルで製造現場オペレーションの標準化・品質の均一化を
早期に実現したい。
グローバル規約に対応
迅速なテンプレート設計と
現地の税制・商習慣・多言語への対応で
グローバル企業支援実績が豊富
- 小規模
- 中規模
- 大規模
- 多数拠点
- グローバル
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- マルチリンガル機能、ASEAN現地税制や商習慣へ標準対応。
- クラウドタイプもあり。迅速・柔軟なテンプレート設計でグローバル展開が容易にできる。
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- 本製品・COLMINA MESを含め、グローバル展開を行うものづくり企業向けに開発。
- 富士通のグローバルネットワークを駆使したサポート体制を用意。
※本サイトでは、2023年6月10日時点でGoogleにて「MESシステム」「製造実行システム」で検索した際、上位100位までに製品、またはベンダーの公式サイトが表示され、どんなシステムかがわかる情報が記載されている29製品を紹介しています。その中から、より自社に合った導入ができるよう、既存システムとのデータ連携が可能な「柔軟性」、ERP~MES~制御までを統合した「総合力」、現地の税制・商習慣・多言語への対応可能な「グローバル仕様」の製品を公式サイトの記載を参考に抽出(3製品のみ)。それぞれの課題や要望に合致する機能や支援内容を実現できるシステムを公式サイトやパンフレットの記載内容をもとに紹介しています。
<ニーズ分けの理由>
「IB-Mes」…スモールスタートからの拡張、カスタマイズ、変更対応に強み。製造業に精通したエンジニア集団が柔軟に対応。
「YOKOKAWA-MESソリューション」…制御システム分野等において製造業界では名実ともに国内外に広く知られている大手グループが開発。
「SAP製造実行実行システム」…グローバル向けの機能や対応、海外サポート拠点などが充実。