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MES導入におけるRFP作成のポイント

MES導入においてRFPが重要な理由

MES(製造実行システム)は、製造現場の作業指示やデータ収集を工程単位で管理するシステムです。ERP(基幹業務システム)とは扱うデータの粒度や対象範囲が異なるため、導入にあたっては製造現場の実態に即した準備が欠かせません。

RFP(提案依頼書)の段階でベンダーへ正確な情報を伝えなければ、プロジェクトは計画時点から認識のずれを抱えるリスクがあります。ERPと比較すると、MES導入に関する公表事例や標準的なノウハウはまだ限られており、ユーザーとベンダー間で要件の齟齬が生まれやすい状況です。

近年は製造DXの推進に伴い、複数拠点へのMES展開を視野に入れる企業も増えています。プロジェクト規模が拡大するほど、RFP作成の段階で要件を明確に定義しておく重要性は一層高まっているといえるでしょう。

MES RFPに盛り込むべき必須項目と作成のポイント

AS-IS(現行業務フロー・システム関連図)の整備

MES構築ベンダーがRFPで重視する項目の一つが、AS-IS(現状)を示すドキュメント類です。具体的には、現行業務フロー図とシステム関連図の2つが挙げられます。

現行業務フロー図は、製造工程の流れや作業手順、データ取得方法を可視化した資料です。システム関連図は、製造指図の発行元となるシステムやSCADA・DCSとの情報連携を示したものを指します。これらのドキュメントが未整備の場合は、RFP作成に先立ち現行調査に十分な時間を確保する必要があります。

「問題・要望リスト」の作成と目的の明確化

現場が抱える課題や実現したい要望を業務レベルの粒度で整理した「問題・要望リスト」は、MES導入プロジェクトの方向性を左右する重要な成果物です。

RFPの構成要素である背景・目的・課題・範囲・要件・納期について、それぞれ留意すべきポイントを押さえておくことが求められます。目的欄には「効率化」「コスト削減」といった抽象的な言葉だけでなく、具体的な目標値を明示することが有効です。範囲(スコープ)の定義では、レガシーシステムとの連携要否や「自動化」の対象範囲を明確にしておくことが欠かせません。

MESの11機能ベースのRFP作成で陥りやすい課題と対策

MESA Internationalが定義したMESの11機能(生産資源の配分・監視、仕様・文書管理、作業スケジューリングなど)は、RFP作成のフレームワークとして広く活用されています。一方で、11機能をベースにRFPを作成する際にはいくつかの課題が指摘されています。

まず、11機能の用語体系は製造部門にとって馴染みが薄く、要件定義の議論が進みにくい点があります。担当部門が横断的になることでメンバーの負荷が増し、プロジェクトへの関与意識が低下するケースも見られます。ユーザー側の情報整理が不十分なままベンダーに提示され、意図が正確に伝わらないという問題につながることもあるでしょう。

こうした課題への対策として注目されているのが、ENAAスマート工場研究会が作成した「標準業務機能リスト(標準カタログ)」です。業務単位で整理されたテンプレートを用いることで、MES/MOMに期待する機能範囲を明確化しやすくなり、RFP作成のポイントを体系的に押さえることが可能になります。

MES RFP作成を成功に導く実践ステップ

RFPの提示前には、次の4つのステップを段階的に進めることが有効です。①現場の業務フローを可視化する、②問題・要望を洗い出す、③スコープを明確に定義する、④ベンダーとの情報非対称性を解消する、という流れで整理します。

可能であれば、RFPの提示と合わせて工場見学の機会を設けることも検討に値します。現場の実態をベンダーに直接伝えることで、提案の精度向上が期待できるでしょう。

まとめ

MES導入においてRFPは単なる書類ではなく、プロジェクト全体の成否を左右する準備段階の成果物です。現場の実態を正確にベンダーへ伝えるためには、AS-ISの整備と問題・要望リストの作成を起点とした丁寧な情報整理が不可欠といえます。

本記事で紹介したRFP作成のポイントを参考に、ベンダーと正確に意思疎通できる提案依頼書の準備に取り組んでみてください。

製造現場の要望に合った
システムを紹介
ニーズ別 MESシステム 3

製造現場を管理するうえでの課題、要望により合ったMESシステムを紹介します。
MESシステム62製品(※)から、より自社に合った導入ができるよう、既存システムとのデータ連携が可能な「柔軟性」、ERP~MES~制御までを統合した「総合力」、現地の税制・商習慣・多言語への対応可能な「グローバル仕様」に対応している「3製品」を抽出。それぞれの課題や要望に合致する機能や支援内容を実現できるシステムを公式サイトやパンフレットの記載内容をもとに紹介しています。

柔軟性

既存の新旧・異なるメーカーの
生産設備のデータを可視化
一元管理したい。
拡張や変更もできて
誰でも簡単に使えるようにしたい。

混在する新旧多様な設備を連携し
既存システムともスムーズに統合
柔軟カスタマイズ&直感的操作
で現場への導入ストレスを軽減

IB-MES(ユニフェイス)
  • 小規模
  • 中規模
  • 大規模
  • 多数拠点
  • グローバル
システムの強み
  • 既存システムとのデータ連携が可能で、シームレスな運用を実現。IT導入補助金対象。
  • 低コストでスピーディな導入。誰もが使える直感的な操作性。
ベンダーの強み
  • 手作業・自働・加工工程などの多様な生産ライン、幅広いメーカー・古い機械のデータ収集が可能。
  • 柔軟なカスタマイズが可能。製造業界・ハードウェアにも精通。
知名度

MESだけでなく、基幹システムや
制御システムも含め、工場全体を
DX化・管理したい。
大規模な予算をかけるので
知名度の高い会社に頼みたい。

製造の制御システムに長けた
100年超の老舗
国内外に知られる横河電機
工場DXの幅広いソリューションを提供

YOKOGAWA-MES
ソリューション(横河ソリューションサービス)
  • 小規模
  • 中規模
  • 大規模
  • 多数拠点
  • グローバル
システムの強み
  • 原料の入庫、製造、梱包、出荷まで工場全体の最適化をサポートする設計思想。
  • ERP~MES~制御までを統合した企業システムとして構築。
ベンダーの強み
  • Operation Technology(OT)デバイスとその制御システムを長く展開、モノづくりを知る大手企業。
  • ハードからソフト、AIソリューションを一体で提供。
グローバル

複数の海外拠点の状況を
リアルタイムに把握したい。
グローバルで製造現場オペレーションの標準化・品質の均一化を
早期に実現したい。

グローバル規約に対応
迅速なテンプレート設計と
現地の税制・商習慣・多言語への対応で
グローバル企業支援実績が豊富

SAP製造実行システム(富士通)
  • 小規模
  • 中規模
  • 大規模
  • 多数拠点
  • グローバル
システムの強み
  • マルチリンガル機能、ASEAN現地税制や商習慣へ標準対応
  • クラウドタイプもあり。迅速・柔軟なテンプレート設計でグローバル展開が容易にできる。
ベンダーの強み
  • 本製品・COLMINA MESを含め、グローバル展開を行うものづくり企業向けに開発
  • 富士通のグローバルネットワークを駆使したサポート体制を用意。

※本サイトでは、2026年2月3日時点でGoogleにて「MESシステム」「製造実行システム」で検索した際、上位100位までに製品、またはベンダーの公式サイトが表示され、どんなシステムかがわかる情報が記載されている62製品を調査。それぞれの課題や要望に合致する機能や支援内容を実現できるシステムを公式サイトやパンフレットの記載内容をもとに紹介しています。

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