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MESシステムの選び方

目次

導入側に関する選び方のポイント

導入目的を明確化する

システム導入のファーストステップは、導入目的を明確化することです。「システム導入でどんな課題を解決したいのか?」「何を実現したいのか?」といった目的を明確にすることで、導入すべきシステムや機能が明らかになります。

目的を明確にしないままシステムを入れても、十分に活用できなかったり、かえって業務効率が悪くなったりするリスクもあるため注意が必要です。何のためにMESシステムを導入するのか、まずは目的を明確に定めましょう。

優先順位を明確化する

システムの導入に際しては、解決したい課題に対する「優先順位」を決めることも重要です。際限なく資金を投入することができ、必要な機能を全て揃えてシステムを導入できる場合は、さまざまな課題を一気に解決できます。

しかし、一度に投入できる資金には限度があるため、それを考慮しつつ、解決したい課題の優先順位を決めなければなりません。

そうすることによって、まずは優先課題を解決し、その後で折を見て新たな機能を追加して次の課題を解決する・・・というように、限られた予算の中でも段階的に目標の実現を図ることができます。

MESシステムに関するポイント

古い設備からもデータを取得できるか

MESシステムの役割の一つは、工場内のラインや設備などから情報を収集することです。集めた情報はデータベースに蓄積したり、品質の維持・向上に活用したりします。

しかし、工場内の設備の中には、旧式でデジタル化に対応していないものもあるため、検討中のMESを使ってデータ収集ができるのかについて確認しておかなければなりません。

MESが既存設備に対応していない場合は、後付けで専用のセンサーを活用することになります。

やりたいことができるか

システム導入の目的が明確でも、それを実行できるシステムがなければ目的を果たすことはできません。そのため、システムを導入したり開発したりする際は、「やりたいことができるシステムか?」という点を確認する必要があります。

やりたいことを実行できる機能が搭載されているか、あるいはフルスクラッチの場合は、自社の目的を実現できる要件定義がされているか、という点を確認することが重要です。

操作しやすいか

高性能なシステムを導入したものの、操作性が悪くて十分に使いこなせていない・・・というのはよく耳にする話です。いくら性能の良いシステムを入れても、使い方が難しいのでは、導入効果を最大限に引き出すことはできません。

MESシステムを導入する際は、機能性だけでなく、操作性についても確認しましょう。「使い方がわかる」というだけでなく、「誰でも簡単に利用できるか」が重要です。

かかるコストが予算に見合っているか

先の優先順位の話にもリンクしますが、MESの導入では、コストが予算に見合っているか?についても確認する必要があります。搭載したい機能がたくさんあっても、予算をオーバーしてしまうようでは、システムを維持すること自体が困難になるでしょう。

上述のとおり、機能は後で追加することも可能ですから、まずは予算に見合ったシステムを導入することが大事です。費用項目は多岐にわたるため、予算と照らしながらしっかり確認しておきましょう。

ベンダーに関するポイント

「製造」「設備」「ネットワーク」等に関する知識

ベンダーの選定基準は、システムだけでなく、製造・設備・ネットワーク等の知識があるか?というのも重要なポイントです。特にMESシステムの目的は製造工程を最適化することですから、製造に関する知識は必要不可欠となります。

また、システムと設備をつないでデータを収集するのもMESの役割となるため、工場内の設備やネットワークに関する知識も必要です。情報処理全般に明るく、なおかつ製造にも詳しいベンダーであれば、よりよいサービスと提案が期待できるでしょう。

製造実行管理システムの開発経験

製造実行管理システムにおける開発経験の年数や実績数は、マストな選定基準です。開発経験が豊富であるほど、経験と事例を活かしたよりよい提案や対応ができます。

また、開発経験が豊富なベンダーは、さまざまな業界・業種、規模の企業へのサポートを経験しているため、単にスペックの良いシステムを提供するだけでなく、クライアント企業に合ったシステムの開発が可能です。

納期の長さ

ベンダー選びでは、システムの「納期」のチェックも必要です。同じ内容のシステムでも、納期はベンダーによって異なります。MESの場合、3ヵ月~1年以内が通常ですが、ベンダーによっては2~3年かかるケースもあります。

納期は、システムの導入から運用までのスピードを左右する大事な問題ですので、しっかり確認しておくのが良いでしょう。

サポート体制の充実度

ベンダーから、システムやソフトウェアの操作説明、操作指導といった導入支援サービスが受けられる場合は、システムの定着が早まります。特にITリテラシーの低い製造現場への導入では、ベンダーによるサポートの質がシステムの定着性を左右します。

そのためベンダー選びでは、導入支援などサポート体制の充実度も確認しましょう。

まとめ

MESシステムの選定は、多角的な視野をもって行うことが大切です。上記した通り、導入側に関するポイント、システムに関するポイント、ベンダーに関するポイントと、見る視点によって考慮すべき要素が違ってきます。それらを総合的に見ることによって、自社に合った適切なMESシステムが導入できるでしょう。

製造現場の要望に合った
システムを紹介
ニーズ別 MESシステム 3

製造現場を管理するうえでの課題、要望により合うMESシステムを紹介します。
本サイトで紹介しているMESシステム29製品(※)から、自社に合った導入ができるよう、既存システムとのデータ連携が可能な「柔軟性」、ERP~MES~制御までを統合した「総合力」、現地の税制・商習慣・多言語への対応可能な「グローバル仕様」の「3製品」を抽出。それぞれの課題や要望に合致する機能や支援内容を実現できるシステムを公式サイトやパンフレットの記載内容をもとに紹介しています。

柔軟性

既存の新旧・異なるメーカーの
生産設備のデータを可視化
一元管理したい。
拡張や変更もできて
誰でも簡単に使えるようにしたい。

混在する新旧多様な設備を連携し
既存システムともスムーズに統合
柔軟カスタマイズ&直感的操作
で現場への導入ストレスを軽減

IB-MES(ユニフェイス)
  • 小規模
  • 中規模
  • 大規模
  • 多数拠点
  • グローバル
システムの強み
  • 既存システムとのデータ連携が可能で、シームレスな運用を実現。IT導入補助金対象。
  • 低コストでスピーディな導入。誰もが使える直感的な操作性。
ベンダーの強み
  • 手作業・自働・加工工程などの多様な生産ライン、幅広いメーカー・古い機械のデータ収集が可能。
  • 柔軟なカスタマイズが可能。製造業界・ハードウェアにも精通。
知名度

MESだけでなく、基幹システムや
制御システムも含め、工場全体を
DX化・管理したい。
大規模な予算をかけるので
知名度の高い会社に頼みたい。

製造の制御システムに長けた
100年超の老舗
国内外に知られる横河電機
工場DXの幅広いソリューションを提供

YOKOGAWA-MES
ソリューション(横河ソリューションサービス)
  • 小規模
  • 中規模
  • 大規模
  • 多数拠点
  • グローバル
システムの強み
  • 原料の入庫、製造、梱包、出荷まで工場全体の最適化をサポートする設計思想。
  • ERP~MES~制御までを統合した企業システムとして構築。
ベンダーの強み
  • Operation Technology(OT)デバイスとその制御システムを長く展開、モノづくりを知る大手企業。
  • ハードからソフト、AIソリューションを一体で提供。
グローバル

複数の海外拠点の状況を
リアルタイムに把握したい。
グローバルで製造現場オペレーションの標準化・品質の均一化を
早期に実現したい。

グローバル規約に対応
迅速なテンプレート設計と
現地の税制・商習慣・多言語への対応で
グローバル企業支援実績が豊富

SAP製造実行システム(富士通)
  • 小規模
  • 中規模
  • 大規模
  • 多数拠点
  • グローバル
システムの強み
  • マルチリンガル機能、ASEAN現地税制や商習慣へ標準対応
  • クラウドタイプもあり。迅速・柔軟なテンプレート設計でグローバル展開が容易にできる。
ベンダーの強み
  • 本製品・COLMINA MESを含め、グローバル展開を行うものづくり企業向けに開発
  • 富士通のグローバルネットワークを駆使したサポート体制を用意。

※本サイトでは、2023年6月10日時点でGoogleにて「MESシステム」「製造実行システム」で検索した際、上位100位までに製品、またはベンダーの公式サイトが表示され、どんなシステムかがわかる情報が記載されている29製品を紹介しています。その中から、より自社に合った導入ができるよう、既存システムとのデータ連携が可能な「柔軟性」、ERP~MES~制御までを統合した「総合力」、現地の税制・商習慣・多言語への対応可能な「グローバル仕様」の製品を公式サイトの記載を参考に抽出(3製品のみ)。それぞれの課題や要望に合致する機能や支援内容を実現できるシステムを公式サイトやパンフレットの記載内容をもとに紹介しています。

<ニーズ分けの理由>
「IB-Mes」…スモールスタートからの拡張、カスタマイズ、変更対応に強み。製造業に精通したエンジニア集団が柔軟に対応。
「YOKOKAWA-MESソリューション」…制御システム分野等において製造業界では名実ともに国内外に広く知られている大手グループが開発。
「SAP製造実行実行システム」…グローバル向けの機能や対応、海外サポート拠点などが充実。

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