食品

YOKOGAWA MESソリューションの導入事例

乳製品やジュースほか80品目を製造する森永乳業株式会社・東京多摩工場が、横河ソリューションサービス株式会社の「MESソリューション」を導入した事例です。

導入前の課題・導入の経緯

製造工程の大部分を人手作業で行なっていた

導入前は、仕込み表の作成やチェック、仕込み作業、記録といった製造工程の大部分を人手作業で行なっていました。製造品質の向上のためには、人とシステムによるチェックを行なう「管理部門の仕事」と「標準化された作業者の仕事」を明確に線引きした作業環境の構築が望まれます。

そこで検討されたのがMESシステムの導入です。同社が求めていたのは「仮にトラブルが起きても設備や製品に影響を与えないようにシステムを設計してくれるメーカー」でした。検討の結果、過去の計装機器やシステム導入の実績も踏まえた上で、横河ソリューションサービス株式会社に開発を依頼することになったのです。

参照元：横河ソリューションサービス株式会社公式サイト（https://www.yokogawa.co.jp/library/resources/references/morinagamilk/）

導入後の効果・担当者の声

誰が作業しても高い品質を保てるシステムが実現

システムを導入したことで、個々の作業方法の適正化、作業者による差がない適切な計量管理方法の仕様化が進められました。その結果、誰が作業しても高い品質を保つことができる、人に依存しないシステムが実現しました。

まずはSOP（標準作業手順書）によって作業が標準化され、人とシステムによるチェックで品質も向上、目指していた管理部門と作業者の明確な分担が達成されました。作業・在庫の見える化で、管理部門の業務効率も向上しています。また、トレーサビリティ（製造記録）による品質保証に加えて、ペーパーレス化が進んだことで異物混入防止の効果もあったようです。

参照元：横河ソリューションサービス株式会社公式サイト（https://www.yokogawa.co.jp/library/resources/references/morinagamilk/）

CyberChefoodの導入事例

液体調味料を製造する食品メーカーが、株式会社日立ハイテクソリューションズのMESシステム「CyberChefood」を導入した事例です。

導入前の課題・導入の経緯

多品種少量生産に対応できるシステムの必要性

この食品メーカーでは新工場の建設に伴い、多品種少量生産への対応が必要でした。加えてトレーサビリティ・フードディフェンス機能の強化、作業端末の活用による手順の確認、バーコードリーダーによるチェック体制の実現なども求められていました。

検討の結果、MESシステムの導入が決定します。同社ではMESの採用は初めてでしたが、多品種変量の生産形態や急な生産計画の変更にも柔軟に対応できる「CyberChefood」が選定されました。

参照元：株式会社日立ハイテクソリューションズ公式サイト（https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/products/ot-solution/mes/cyberplant/mes-solution/）

導入後の効果・担当者の声

作業効率の向上と人的ミスのゼロ化を達成

導入後は上位システムERPとの連携により、期待していたとおりの柔軟なオペレーションが実現。製造レシピが毎回異なっても生産計画に基づいて自動的に変更され、工程完了の時点で都度ERPに情報が届けられます。

また、標準作業指示書がシステム化され、原料受入から配合、充填、包装、倉庫格納まで一連の工程における進捗を確認できるようになりました。作業効率の向上だけではなく、人的ミスのゼロ化も達成できています。

参照元：株式会社日立ハイテクソリューションズ公式サイト（https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/products/ot-solution/mes/cyberplant/mes-solution/）

スーパー管理食の導入事例

世間で広く親しまれている飲料メーカー・株式会社ポッカコーポレーションが、アズビル株式会社の食品工場向けMESシステム「スーパー管理食」を導入した事例です。

導入前の課題・導入の経緯

調合過程でのミスをゼロにするための対策に迫られた現場

さまざまな製造工程において、製品の品質維持のために特に重要なプロセスは、独自のレシピに基づいて決められた原料を決められた量だけ投入し、加工していく調合工程です。ユーザーが期待する味を安定して供給するため、微細なミスも防がなくてはなりません。

同社の群馬工場の調合タンクは2～3万リットルという大容量で、万が一調合ミスが起こると作業が滞るだけではなく、製造途中でも廃棄しなければならないため莫大な損害が生じます。そのため、現場は調合過程でのミスをゼロにするための対策に迫られていました。

これまではオペレータが紙ベースのレシピを確認しながら一連の作業を実施していました。そこを見直した結果、作業の流れをシステムで支援していく仕組みづくりを目指すことになり、信頼性と実績の面からアズビルの「スーパー管理食」が採用されたのです。

参照元：アズビル株式会社公式サイト（https://www.azbil.com/jp/case/aac/nou_378/index.html）

導入後の効果・担当者の声

システム化でミスが起こる可能性を最小限に抑える

システム導入を機に、原料の受入や計量、タンクへの投入といった一連のプロセスのシステム化が実現しました。現在はどの工程の作業中なのか、どの原料をどれだけ投入すべきかが端末画面に示されるので、オペレータは適正なタイミングで作業を進めていけます。結果としてミスが起こる可能性も最小限に抑えられるようになりました。

また、同工場は多品種を製造するため、オペレータはさまざまな製品の原料を把握しておかなければなりません。それに必要な経験やノウハウをシステムで補うことも可能となったため、製造ライン間でオペレータを柔軟に配置できるようになったのもシステム導入の大きな効果だったようです。

参照元：アズビル株式会社公式サイト（https://www.azbil.com/jp/case/aac/nou_378/index.html）

まとめ

食品や飲料は直接人の身体に入るものだけに、その製造過程における品質管理は最重要視されるべきポイントです。

どんな現場でも人的ミスを完全になくすことはできませんが、MESシステムを導入することでミスを限りなくゼロに近づけることはできるのではないでしょうか。