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MESとアンドンの連携で何ができる?

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目次

「アンドンは点いたのに、なぜ止まったのかが後から分からない」。そんな現場の悩みは、MESとの連携で解決の糸口が見えてきます。仕組みと導入のポイントを解説します。

アンドンとは?異常を即座に知らせる「目で見る管理」の仕組み

アンドンとは、生産ラインや設備で異常が起きたときにランプや電光表示板を点灯させ、関係者にすぐ知らせる仕組みです。正常と異常をひと目で区別できるようにする「目で見る管理」の代表的な道具として、多くの工場で使われています。

トヨタ生産方式の「自働化」から生まれたアンドン

アンドンの源流は、トヨタ生産方式の柱のひとつである「ニンベンのついた自働化」にあります。自働化とは、設備の故障や品質不良、作業遅れなどの異常が起きたときに、設備が自ら異常を検知して止まる、あるいは作業者が停止スイッチでラインを止められるようにする考え方です。

設備が止まるとアンドンが点灯するため、人は異常のときだけ駆けつければよく、設備を見張り続ける必要がありません。不良品を後工程に流さず、同時に省人化も進められるのがこの仕組みの強みです。設備のない組立ラインでも、作業者が紐スイッチを引けばアンドンが点灯し、責任者を呼べるようになっています。

参照元:トヨタ自動車株式会社「トヨタ生産方式」(https://global.toyota/jp/company/vision-and-philosophy/production-system/index.html)

ランプの色が示す状態と現場の対応

アンドンのランプは一般的に4色で、それぞれ次の状態を示します。

(※色と状態の対応は企業や設備によって異なり、黄を「準備中」として使う例もあります。自社のルールとして定義しておくことが大切です。)

特に重要なのが、赤が点灯したときの対応です。特に重要なのが、赤が点灯したときの対応です。点検・復旧と管理者への報告にとどめず、異常の原因を明らかにすることが再発防止につながります。

参照元:ウイングアーク1st株式会社「アンドン導入で生産ラインを見える化!運用ポイントや事例を解説」(https://www.wingarc.com/solution/manufacturing/blog/andon.html)

従来型アンドンだけでは「設備停止の原因」が残りにくい理由

従来型のアンドンは、表示を見てから人が動くための仕組みです。表示が3色の電灯から液晶モニターに変わっても、この役割自体は変わっていません。そのため「いつ・どこで・何が止まったのか」というデータは自動では蓄積されません。1ラインに多数のPLCやロボットが稼働する大手自動車メーカーの溶接ラインでも、停止状況を示すデータをすべては収集できていないことが課題になっていました。

特に、停止時間3分未満のチョコ停は履歴に残りにくい停止です。トラブル対策が日報や聞き取り、経験や推測に頼ったものになると、正確なデータで原因を追えません。その結果、対策を打っても効果が出ず、同じ停止が再発してしまいます。紙やExcelで停止記録を管理している現場ほど、この壁に突き当たりやすいといえます。

参照元:TECH+「トヨタが目指すIIoT活用による生産性改善 - 堤工場でアンドン改善に着手」(https://news.mynavi.jp/techplus/article/20190902-884409/)

参照元:広島アルミニウム工業株式会社「IoT(エッジコンピューティング)による取り組み」(広島県)(https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/317137.pdf)

MESとアンドンを連携させるとできること

アンドンをMESと連携させると、「知らせる」だけだったアンドンが、データを記録して分析するための入り口に変わります。主にできることは次の3つです。

工場全体の稼働状況をリアルタイムに監視できる

近年は変種変量生産への対応などを背景に、ITシステムと連携して生産情報や設備状態の見える化を強化したアンドンへの需要が高まっています。MESとアンドンを連携させると、設備の稼働状況を現場の大型モニターだけでなく、事務所のPCや保全担当者のタブレットでも確認できます。

複数のラインや工場の設備状態を1つの画面に集約して色分けすれば、管理者は現場に足を運ばなくても全体を把握できます。さらに、端末から管理者を呼び出す機能を使えば、異常の発生から対応を始めるまでの時間を短くでき、設備稼働率の向上につながります。

停止理由をデータ化して根本原因分析につなげられる

MES連携の最大の価値は、「なぜ止まったのか」をデータで追えるようになる点です。アンドンの呼び出しと同時にスイッチなどで停止理由を入力すれば、停止の発生時刻・設備・理由がMESに記録されます。蓄積したデータを集計すると、どの停止が多いのかを定量的に把握でき、優先順位をつけて対策を打てます。

富山県の中小製造業15社を対象とした実証事業では、センサで設備の稼働状況を自動で記録する取り組みにより、稼働率が9.5%向上しました。また一部の企業では、スイッチで停止理由を取得してチョコ停の原因を分析し、改善にまでは至らなかったものの改善方法が見えてきています。(※これは実証事業での結果です。MESを導入すれば必ず同じ効果が得られるわけではありません。)

大手自動車メーカーでも、蓄積した設備データを使ったリアルタイムの異常解析や、サイクルタイムの解析に取り組んでいます。

参照元:総務省「共有型とやまものづくりIoTプラットフォーム」(https://www.soumu.go.jp/midika-iot/project/pdf/629-02.pdf)

参照元:TECH+「トヨタが目指すIIoT活用による生産性改善 - 堤工場でアンドン改善に着手」(https://news.mynavi.jp/techplus/article/20190902-884409/)

蓄積データがカイゼンと技能伝承の土台になる

停止や対処の記録が蓄積されると、ベテランの判断を数値として残せます。東洋製罐株式会社では、ライン全体の設備状況をリアルタイムに見える化しました。あわせてベテランの対処を数値化し、若手がベテランに頼らず問題に対処できる体制を整えています。

前述の実証事業でも、熟練工の作業動画や視線のデータを新人教育に生かす取り組みが行われています。熟練工の退職が迫る現場では、データ化そのものが技能伝承の手段になります。

参照元:ウイングアーク1st株式会社「アンドン導入で生産ラインを見える化!運用ポイントや事例を解説」(https://www.wingarc.com/solution/manufacturing/blog/andon.html)

参照元:総務省「共有型とやまものづくりIoTプラットフォーム」(https://www.soumu.go.jp/midika-iot/project/pdf/629-02.pdf)

MES×アンドンを使いこなすための導入ポイント

古い設備も後付けセンサーでデータ化できる

「うちの設備は古くてネットワークにつながらない」という場合でも、MES連携をあきらめる必要はありません。多くの設備に付いているパトランプに光センサを後付けすれば、点灯色から運転中・準備中・エラーといった状態をデータとして取得できます。設備本体を改修せずに済むため、社内でも取り組みやすい方法です。

また、表示器などを介して、接点入力や他社製のコントローラから情報を集める方法もあります。コントローラの種類が異なる既設ラインにも対応できるため、新旧の設備やメーカーが混在する工場でも導入を始められます。

参照元:産業技術総合研究所 四国センター「IoT技術を活用した生産支援システムの開発」(https://www.aist.go.jp/Portals/0/shikoku/images/collabo/sangiren/syoukai-pdf/IoT.pdf)

参照元:三菱電機技報「アプリケーションパッケージ“iQ Monozukuri アンドン”」(https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2018/1804106.pdf)

「全部集める」より目的を決めてデータを絞る

データ活用で陥りやすいのが「とりあえず全部集める」ことです。

あるアルミ部品メーカーでは、チョコ停の原因を突き止めるため、1ラインで1,444項目のデータを0.5秒間隔で収集しました。その結果、データ量は1か月で約77億個、約200GBに達しました。分析に時間がかかりすぎて、結果が出る頃には同じ条件を再現できず、原因の特定には至りませんでした。同社はその後、必要なデータを絞り込み、量より質を重視する方針に転換しています。

まずは「どの停止を減らしたいか」を決め、そのために必要なデータから小さく始めることが、成果を出すための近道です。

参照元:広島アルミニウム工業株式会社「IoT(エッジコンピューティング)による取り組み」(広島県)(https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/317137.pdf)

表示ルールを統一して現場に定着させる

システムを入れても、表示の意味や対応手順が人によってばらばらでは効果は出ません。赤が点いたら誰が何をするのか、黄色のときはどう動くのかを社内ルールとして定め、全員に周知しましょう。信号機のように、同じ表示を見て誰もが同じ判断ができるシンプルな基準をつくることが「見える化」の要です。導入前に運用ルールまで決めておけば、「導入しても使いこなせるか」という不安は大きく和らぎます。

まとめ

アンドンは異常をすぐに知らせる優れた仕組みですが、単体では停止の原因がデータとして残りにくいという弱点があります。MESと連携させれば、稼働状況をリアルタイムに監視できるうえ、停止理由を蓄積して根本原因の分析やカイゼン、技能伝承に生かせます。古い設備でも後付けで始められるため、まずは減らしたい停止を決め、小さく始めてみましょう。

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システムを紹介
ニーズ別 MESシステム 3選

製造現場を管理するうえでの課題、要望により合ったMESシステムを紹介します。
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