MESのGMP対応とは
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医薬品製造で必須のGMPに、MESはどのように応えるのか。要件と選び方を整理します。
GMPとは?医薬品製造で求められる基準
GMPとは「Good Manufacturing Practice」の略称で、日本語では「製造管理および品質管理に関する基準」を指します。原料の仕入れから出荷までの全工程を対象に、品質を安定して確保するための要件が定められた枠組みです。医薬品分野では「医薬品GMP」と呼ばれ、日本ではGMP省令(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令)に具体的な内容が定められており、医薬品医療機器等法により遵守が義務付けられています。
要件は大きく、建屋・設備などハード面を規定する「GMPハード」と、製造管理や品質管理の運用を規定する「GMPソフト」に分けられます。運用の柱となるのが、日本の医薬品GMPが基づく三原則であり、各国のGMPにも共通する考え方でもある「医薬品の汚染や品質低下の防止」、「人為的ミスの防止」、「高い品質を保証するシステムの設計」です。これらを現場で確実に機能させることが、GMP対応の出発点となります。
GMP対応でMES(製造実行システム)が求められる背景
MES(Manufacturing Execution System)は、製造現場の情報を統合管理する中核システムであり、製造工程の把握や作業者への指示、実績記録などを担います。ERPやLIMSと領域が異なり、製造プロセスに特化して現場を支える点が特徴です。
製薬業界ではGMPに沿った多くの記録管理や、少量多品種の生産体制への対応が長年の課題となってきました。手作業が残る現場では、記録の抜け漏れや人為的ミス、監査対応の負荷が生産効率と品質保証の両面で足かせになりがちです。MESはこれらの課題を電子的に一元管理する基盤として導入が進み、近年はAIとの連携により異常予測や工程最適化まで広がるなど、GMP対応と生産性向上を両立させる手段として位置付けられています。
MESが担うGMP対応の主な要件
電子記録・監査証跡と21 CFR Part 11/ER/ES指針への対応
GMPでは、製造・品質に関わる幅広い記録を作成し、適切に保管することで、定められた手順どおりに製造が行われたと証明することが求められます。MESは紙の製造記録を電子化し、バッチごとの作業指示・実績・変更履歴などをリアルタイムで残す仕組みを提供します。これにより、誰が・いつ・何を行ったかが追跡可能となり、監査証跡としての機能を果たします。電子記録・電子署名に関する国際的な要件である21 CFR Part 11や、日本のER/ES指針への対応も、MESを基盤にすることで体系的に実現しやすくなります。
データインテグリティとALCOA+原則
近年のGMP運用で特に重視されているのが、記録の正確性・完全性・一貫性を確保するデータインテグリティです。求められる要素は、Attributable(誰が実行したか)、Legible(判読可能か)、Contemporaneous(すぐに記録されているか)、Original(オリジナルか)、Accurate(正確か)、Complete(完全か)、Consistent(首尾一貫しているか)、Enduring(維持できる形式か)、Available(使用可能か)といったALCOA+原則で整理されます。MESは記録の入力から保管までを電子的に統制し、これらの要素をライフサイクル全体で担保する基盤となります。
参照元:インターフェックスWeek「GMPとは?目的・三原則や運用方法までわかりやすく解説」(https://www.interphex.jp/hub/ja-jp/blog/article_001.html)
CSV(コンピュータ化システムバリデーション)とSOP・作業標準化
MES自体がGMP適用下のコンピュータ化システムであるため、導入・運用にあたってはCSV(コンピュータ化システムバリデーション)を通じて、機能や運用が意図どおりに動作することを検証する必要があります。あわせてMESの主要機能である作業標準化では、SOP(標準作業手順書)に沿った作業チェックにより手順違反を自動検知し、人為的ミスを未然に防ぎます。データ完全性とGMP要件の遵守を前提とした運用設計こそが、MES×AI導入を成功させる重要ポイントとされています。
参照元:厚生労働省|・医薬品・医薬部外品製造販売業者等におけるコンピュータ化システム適正管理ガイドラインについて(◆平成22年10月21日薬食監麻発第1021011号)(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb6573&dataType=1&pageNo=1)
参照元:インターフェックスWeek「製薬業界におけるMES(製造実行システム)とは?AI活用事例や導入のヒントを解説」(https://www.interphex.jp/hub/ja-jp/blog/article_071.html)
GMP対応MESを導入するメリット
GMP対応MESを導入する最大のメリットは、GMPが求める記録・トレーサビリティ・品質管理・作業標準化を一つの基盤上で実現できる点にあります。バッチごとの作業指示や実績、設備稼働状況、原材料から完成品までの履歴、工程内の品質データや異常・逸脱の記録をリアルタイムに管理でき、監査対応の負荷を大きく軽減します。
具体例として、日本ジェネリックとパナソニック ソリューションテクノロジーの取り組み(MESパッケージ「MP-Connect for Pharma」/2024年4月よりつくば工場で導入着手)では、少量多品種製造の複雑さから生じる作業負荷と品質管理の課題に対し、MES導入によって生産計画・品質データ・工程進捗を一元管理する仕組みを構築しています。工程の見える化により人為的ミスの防止や品質の安定化、作業効率の向上が期待され、GMP対応がよりスムーズに行える点も重要なメリットとして挙げられています。
参照元:インターフェックスWeek「製薬業界におけるMES(製造実行システム)とは?AI活用事例や導入のヒントを解説」(https://www.interphex.jp/hub/ja-jp/blog/article_071.html)
参照元:パナソニック ソリューションテクノロジーが日本ジェネリック株式会社と医薬品製造業務に特化した製造実行システム(MES)の開発を開始 Panasonic Newsroom Japan : パナソニック ニュースルーム ジャパン(https://news.panasonic.com/jp/topics/205775)
GMP対応MESを選ぶ際の注意点
GMP対応MESを選定する際は、システムの機能一覧だけでなく、現場運用と規制対応を含めた全体最適の観点で評価することが重要です。第一に、OT(制御系)とIT(情報系)の連携です。現場のリアルタイムデータを企業システムと結び付けることでMESが扱える情報が増え、分析や改善の精度が高まります。データが分断されたままではMESの効果を十分に発揮できません。
第二に、データ完全性とGMP要件の遵守です。完全性・正確性・首尾一貫性・オリジナル性など、データのライフサイクル全体にわたり信頼できる記録を残せる設計になっているかを確認する必要があります。第三に、現場教育と運用定着です。従業員がMESや分析結果を正しく理解して使いこなせなければ、成果は限定的にとどまります。第四に、セキュリティ対策の強化です。データ漏えい防止、監査証跡、電子署名などによる真正性の確保は、クラウド利用が広がる現在では特に欠かせない要件となります。
まとめ
医薬品製造のGMP対応では、電子記録・監査証跡・データインテグリティ・CSVといった要件を確実に満たす仕組みが欠かせません。MESはこれらを一元的に支える基盤として、品質保証と生産性向上の両立に貢献します。自社の工程・規制要件・運用体制に合ったMESを選び、段階的な導入で現場に定着させることが成功の鍵となります。
システムを紹介
ニーズ別 MESシステム 3選
製造現場を管理するうえでの課題、要望により合ったMESシステムを紹介します。
MESシステム62製品(※)から、より自社に合った導入ができるよう、既存システムとのデータ連携が可能な「柔軟性」、ERP~MES~制御までを統合した「総合力」、現地の税制・商習慣・多言語への対応可能な「グローバル仕様」に対応している「3製品」を抽出。それぞれの課題や要望に合致する機能や支援内容を実現できるシステムを公式サイトやパンフレットの記載内容をもとに紹介しています。
既存の新旧・異なるメーカーの
生産設備のデータを可視化
一元管理したい。
拡張や変更もできて
誰でも簡単に使えるようにしたい。
混在する新旧多様な設備を連携し
既存システムともスムーズに統合
柔軟カスタマイズ&直感的操作
で現場への導入ストレスを軽減
- 小規模
- 中規模
- 大規模
- 多数拠点
- グローバル
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- 既存システムとのデータ連携が可能で、シームレスな運用を実現。IT導入補助金対象。
- 低コストでスピーディな導入。誰もが使える直感的な操作性。
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- 手作業・自働・加工工程などの多様な生産ライン、幅広いメーカー・古い機械のデータ収集が可能。
- 柔軟なカスタマイズが可能。製造業界・ハードウェアにも精通。
MESだけでなく、基幹システムや
制御システムも含め、工場全体を
DX化・管理したい。
大規模な予算をかけるので
知名度の高い会社に頼みたい。
製造の制御システムに長けた
100年超の老舗
国内外に知られる横河電機が
工場DXの幅広いソリューションを提供
ソリューション(横河ソリューションサービス)
- 小規模
- 中規模
- 大規模
- 多数拠点
- グローバル
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- 原料の入庫、製造、梱包、出荷まで工場全体の最適化をサポートする設計思想。
- ERP~MES~制御までを統合した企業システムとして構築。
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- Operation Technology(OT)デバイスとその制御システムを長く展開、モノづくりを知る大手企業。
- ハードからソフト、AIソリューションを一体で提供。
複数の海外拠点の状況を
リアルタイムに把握したい。
グローバルで製造現場オペレーションの標準化・品質の均一化を
早期に実現したい。
グローバル規約に対応
迅速なテンプレート設計と
現地の税制・商習慣・多言語への対応で
グローバル企業支援実績が豊富
- 小規模
- 中規模
- 大規模
- 多数拠点
- グローバル
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- マルチリンガル機能、ASEAN現地税制や商習慣へ標準対応。
- クラウドタイプもあり。迅速・柔軟なテンプレート設計でグローバル展開が容易にできる。
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- 本製品・COLMINA MESを含め、グローバル展開を行うものづくり企業向けに開発。
- 富士通のグローバルネットワークを駆使したサポート体制を用意。
※本サイトでは、2026年2月3日時点でGoogleにて「MESシステム」「製造実行システム」で検索した際、上位100位までに製品、またはベンダーの公式サイトが表示され、どんなシステムかがわかる情報が記載されている62製品を調査。それぞれの課題や要望に合致する機能や支援内容を実現できるシステムを公式サイトやパンフレットの記載内容をもとに紹介しています。



