他のシステムとの関係と連携
MESの立ち位置と他のシステムとの関係/連携
製造業がモノをつくるための管理システムには、計画層・実行層・制御層の3つのレイヤー(階層)があります。
【製造業の生産管理を構成する3階層】- 計画層
- 実行層
- 制御層
計画層は、資材調達・原価管理・生産管理・工場管理など生産計画全体の策定を担っており、その中心的な役割を果たすシステムとして「ERP」が有名です。
実行層では、実際に生産が行われる製造現場の各工程を管理します。生産資源を配分したり、作業指示を出したり、作業者を管理したりするのが役割ですが、この階層を担っているシステムが「MES」や「MOM」です。
最後に制御層というのは、生産設備の稼働状況を監視したり、制御したりする役割を担っている階層です。制御層で用いられる有名なシステムとして、SCADA・PLC・DCS等が有名です。
以上、製造業の生産管理システムは3階層に分かれており、各階層が互いに連携することで成り立っています。MES(実行層)は、製造工程の管理がメインの役割ですが、システム上は計画層(ERP)と制御層(SCADA等)の中間に位置しており、両者をつなぐ仲介役も果たしています。
ERPとの違い
ERPとMESは、生産管理における「視点」が異なります。ERPは、企業の経営全体を俯瞰的に見た上で、「どのような製品をいつまでに作るか」といった生産計画を策定しますが、MESでは、製造工程という固有の領域で各種のオペレーションを実施して‶製造現場″の管理だけを実行します。
そのため、ERPとMESでは管理目的や管理方法も違っており、例えば、ERPは人・モノ・お金といった経営資源の最適活用を考えますが、MESは人・設備・モノを管理しますが、お金の最適活用は考えません。お金の最適活用を考えることは、計画層に属することだからです。
また、管理方法に関しても、ERPは企業の経営資源全体を統合的に管理しますが、MESでは、経営の視点はなく、製造・製品にフォーカスして、製造現場におけるQDC(品質・コスト・納期)活動の管理を行います。
MOMとの違い
MES(Manufacturing Execution System=製造実行システム)とMOM(Manufacturing Operations Management=製造オペレーション管理システム)は、どちらも製造現場の一元管理を提供するシステムであるところは同じです。
ただ機能性には違いがあり、MOMはMESだけでなく、QMS(品質管理システム)や生産計画、原価管理機能なども搭載しており、生産プロセス全体を統合管理しますが、MESには基本的に品質管理や生産計画の機能は含まれておらず、工程管理に特化した管理システムを提供します。
そのため、MOMは、MESにさらに色々な機能を追加したMESの進化系であるという言い方ができるでしょう。
SCADAとの違い
SCADAとMESでは、管理目的や管理対象が異なっています。SCADAは、制御系のシステムとして、製造現場における生産設備の見える化と一元管理を実現しますが、MESでは、設備の保守や保全管理は行うものの、実際に機械や設備のシステムを操作したり制御したりすることはありません。
SCADAは生産設備の管理に特化したシステムであり、MESは製造工程の管理特化したシステムです。全体の流れで見ていくと、ERP(計画層)からの販売計画に基づいて、MESが具体的な製造スケジュールと工程管理を行い、さらに下位層の制御系に指示を伝えて、SCADAやPLCなどの制御系システムが製造に必要な設備を稼働したり制御したりする・・・という関係性です。
システムを紹介
ニーズ別 MESシステム 3選
製造現場を管理するうえでの課題、要望により合うMESシステムを紹介します。
本サイトで紹介しているMESシステム29製品(※)から、自社に合った導入ができるよう、パッケージ、カスタマイズ、スクラッチ、どの方法にも対応している「3製品」を抽出。それぞれの課題や要望に合致する機能や支援内容を実現できるシステムを公式サイトやパンフレットの記載内容をもとに紹介しています。
※上記6つの選び方のポイントにすべて合致しているか否かによる選定ではありません。ご了承ください。
既存の新旧・異なるメーカーの
生産設備のデータを可視化
一元管理したい。
拡張や変更もできて
誰でも簡単に使えるようにしたい。
混在する新旧多様な設備を連携し
既存システムともスムーズに統合
柔軟カスタマイズ&直感的操作
で現場への導入ストレスを軽減
- 小規模
- 中規模
- 大規模
- 多数拠点
- グローバル
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- 既存システムとのデータ連携が可能で、シームレスな運用を実現。IT導入補助金対象。
- 低コストでスピーディな導入。誰もが使える直感的な操作性。
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- 手作業・自働・加工工程などの多様な生産ライン、幅広いメーカー・古い機械のデータ収集が可能。
- 柔軟なカスタマイズが可能。製造業界・ハードウェアにも精通。
MESだけでなく、基幹システムや
制御システムも含め、工場全体を
DX化・管理したい。
大規模な予算をかけるので
知名度の高い会社に頼みたい。
製造の制御システムに長けた
100年超の老舗
国内外に知られる横河電機が
工場DXの幅広いソリューションを提供
ソリューション(横河ソリューションサービス)
- 小規模
- 中規模
- 大規模
- 多数拠点
- グローバル
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- 原料の入庫、製造、梱包、出荷まで工場全体の最適化をサポートする設計思想。
- ERP~MES~制御までを統合した企業システムとして構築。
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- Operation Technology(OT)デバイスとその制御システムを長く展開、モノづくりを知る大手企業。
- ハードからソフト、AIソリューションを一体で提供。
複数の海外拠点の状況を
リアルタイムに把握したい。
グローバルで製造現場オペレーションの標準化・品質の均一化を
早期に実現したい。
グローバル規約に対応
迅速なテンプレート設計と
現地の税制・商習慣・多言語への対応で
グローバル企業支援実績が豊富
- 小規模
- 中規模
- 大規模
- 多数拠点
- グローバル
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- マルチリンガル機能、ASEAN現地税制や商習慣へ標準対応。
- クラウドタイプもあり。迅速・柔軟なテンプレート設計でグローバル展開が容易にできる。
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- 本製品・COLMINA MESを含め、グローバル展開を行うものづくり企業向けに開発。
- 富士通のグローバルネットワークを駆使したサポート体制を用意。
※本サイトでは、2023年6月10日時点でGoogleにて「MESシステム」「製造実行システム」で検索した際、上位100位までに製品、またはベンダーの公式サイトが表示され、どんなシステムかがわかる情報が記載されている29製品を紹介しています。その中から、より自社に合った導入ができるよう、パッケージ、カスタマイズ、スクラッチ、どの方法にも対応している「製品」を公式サイトの記載を参考に抽出(3製品のみ)。それぞれの課題や要望に合致する機能や支援内容を実現できるシステムを公式サイトやパンフレットの記載内容をもとに紹介しています。
<ニーズ分けの理由>
「IB-Mes」…スモールスタートからの拡張、カスタマイズ、変更対応に強み。製造業に精通したエンジニア集団が柔軟に対応。
「YOKOKAWA-MESソリューション」…制御システム分野等において製造業界では名実ともに国内外に広く知られている大手グループが開発。
「SAP製造実行実行システム」…グローバル向けの機能や対応、海外サポート拠点などが充実。