医薬品・化粧品

YOKOGAWA MESソリューションの導入事例

グループ内において医薬品製造の中核を担う田辺三菱製薬工場株式会社が、横河ソリューションサービス株式会社の「MESソリューション」を導入した事例です。

導入前の課題・導入の経緯

新製剤棟の建設に伴うシステム導入の必要性

田辺三菱製薬工場では、新製剤棟の建設にあたって「PIC/S（医薬品査察協定及び医薬品共同査察スキーム）準拠のマルチプラントであること」「多品種少量生産に対応できること」「少人数で効率的に製造できること」「製造工程のビッグデータを効率的に収集・解析できること」などのコンセプトが掲げられました。これらを実現する手段として、製造管理を行なうMESシステムと作業管理を行なう工程管理システムを密接に連携させる必要があったのです。

システムの選定では、MESとLIMSを中心とした先進的なGMP領域を自社だけで提案できることが決め手となり、横河ソリューションサービスの「MESソリューション」が採用されました。

参照元：横河ソリューションサービス株式会社公式サイト　動画内（https://www.yokogawa.co.jp/library/videos/references-videos/tanabe_mitsubishi/）

導入後の効果・担当者の声

人に依存する要素を軽減し、業務効率化と信頼性の向上を実現

システム導入により、日程計画から製造指図、作業指示に基づいて各現場の作業が動くことで計画から実行まで一連のプロセスが管理できるようになりました。結果として人に依存する要素が軽減し、業務の効率化とヒューマンエラーの防止が実現しています。

また、製造設備のPLCや記録計に蓄積された生データが工程管理サーバへ自動的に送られ、それを解析することで品質の安定化につなげています。そこからは重要工程のデータも出力され、製造記録にも展開されるので、記録に要する時間を大幅に削減できました。人手を介していないデータなので信頼性も向上しています。

参照元：横河ソリューションサービス株式会社公式サイト　動画内（https://www.yokogawa.co.jp/library/videos/references-videos/tanabe_mitsubishi/）

TONOPSの導入事例

化粧品の製造・販売では世界的にも高い実績を誇る株式会社資生堂が、東レエンジニアリングDソリューションズ株式会社の「TONOPS」を導入した事例です。

導入前の課題・導入の経緯

品質トラブルを起こさないシステムの構築が必要

資生堂は2019年、研究開発の拠点として横浜・みなとみらい21地区に「資生堂グローバルイノベーションセンター」を新設。そこではユーザ一人ひとりにパーソナライズした化粧品を届けるという、長い歴史を持つ同社にとっても初めてのプロジェクトが進められました。

このチャレンジを成功させるためには、一つひとつ異なる製品を効率的につくることができる小ロットに特化したMESシステムを、ローコストかつ短期間で導入する必要がありました。もちろん、化粧品GMPに準拠した社内規定をクリアした上で自治体の許可を得なければ、製造そのものをスタートさせられません。品質トラブルを起こさないシステム構築が求められたのです。

そこでさまざまな形態のMESシステムが検討されましたが、コストや導入スケジュールの面でマッチしたのがセミパッケージ型の「TONOPS」。パッケージ型の要素も持ちつつカスタマイズ性にも富んでいるところが導入の決め手でした。

参照元：TONOPS公式サイト（https://www.tonops.net/case/shiseido.html）

導入後の効果・担当者の声

誰でもミスなく生産できるシステムを実現

TONOPSは現場にとって使いやすく制御機能にも優れ、導入以降は品質トラブルも発生していません。誰が作業してもミスを確実に防止できるシステムを実現できたといえるでしょう。

また、システム導入にあたって同社では作業環境の改善にも着目していました。これまでは作業工程など覚えなければならないことが多いのが作業者の負担になっていましたが、担当エンジニアがカスタマイズで細部までつくり込み、シンプルで操作性に優れたシステムが導入できたのです。具体的には、タブレットに表示される作業工程を順番に進めていけば問題なく製品が完成するというものです。さらに万が一にも操作を誤らないよう、エラーチェック機能も搭載されています。

このようなしくみは、GMPが要求する「いつ誰が作業しても同じ品質の製品が安定して製造できる」という水準を満たすものです。

参照元：TONOPS公式サイト（https://www.tonops.net/case/shiseido.html）

まとめ

製造業の中でも特に医薬品・化粧品の分野では、利益を確保しなければならない反面、品質を担保するためのコンプライアンスコストの増大が課題となっています。

こうした状況を解決する手段としては、MESシステムの導入によるスマートファクトリー化が第一選択肢といえるのではないでしょうか。